「女らしさの解剖学」女をハダカにしてみたら? 其の三十一『尊敬して初めて濡れる女たち』
女は、今日もあまり濡れなかった。
カラダは正直だった。(ブログ発の本!『トゥルーSeX』)
男が何か悪いことをした、というわけではなかった。
ただ、会社の業績不振が深刻で、手取りの給料も激減した。今まで女にしてやれたことが出来なくなって、そのうえ気持も落ち込んだ。それでも女を悦ばせてやろうと、なるべく優しく丁寧に愛撫したつもりなのに……。
挿入してからも、愛液は言うほど沸いてこなかった。だから、摩擦が強すぎて、男はあっという間にいってしまった。
女はベッドで背を向けて、ポソリと言った。
「もう、あなたを尊敬できないの……だから」
「だから?」男は、女の背中をじっと見つめた。
「うん、もう、あなたとは、その気になれないの、ごめんなさい」
「金の切れ目が縁の切れ目ってことか?」
「そう言うわけじゃないわ、ただ」
「ただ?」
女は何も答えずに、布団を頭までかぶった。
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女は、たしかに「金の切れ目が縁の切れ目」という部分がないわけではない。オスは狩猟をして餌をメスと子供に運ぶ――動物として正しいことなのだから仕方がない。
とはいえ、とことん「金の切れ目が縁の切れ目」なのかと言えば、じつはそうでもないから、女の心理は複雑なのだ。
いくらお金を運んできてくれても、ぜんぜん男が輝いて見えなけば、女の情欲は褪(あ)せて、アソコは乾いたままなのだ。
女は、女らしく、男を尊敬していたいのだ。
男は、女より強くて賢い、優れた動物であって欲しいのだ。そして、この尊敬できる動物が、そこそこの餌を狩猟してきてくれたときに、女は初めて、男に見も心も捧げる気持になれるのだ。
ところが――
男が女より強くて賢く、優れた動物である――という確信は、すぐに崩れ去ってしまうのだ。男は逆境に弱く、女よりストレスを長引かせる、そういう弱い動物なのだ。
この現実を知っても、まだ女が濡れて男を受け入れられたら、それこそが愛情なのだろが……それは、男が強く賢くい続けるのと同じに、簡単なことではないだろう。
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