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第百二十二話・オナニーの美学・女も見たい女の濡れ場

 女は、香炉を炊いた部屋で、しなやかな時間をすごすのが好きだった。

 香に心がトロリとした頃、きまって観たくなる映画のシーンがあった。Img_0112

 ひとつは、フランス映画の中で、女と女がカラダを弄ぶシーンだった。美しい女が二人、花畑の中で抱き合って、トロトロと愛撫を繰り返す。ただそれだけなのだが、どんなラブシーンよりも、ヴァギナになめらかな快感が沸いていて、とても心地よかった。

 そして、それに飽きると、もうひとつの映画のシーンを観た。それは、エキゾチックな衣装をつけた女が、宮殿でダンスをするシーンだった。女の衣装は、衣服というよりも装飾品のようであり、ヴァギナをチラチラと見せつけた。その様は、息を呑むほど美しかったし、観れば必ず自分が濡れて、ラビアが雫を垂らした。

 オルガスムスの海へ、自分を誘ってくれる映画の中の女たち。けっして自分はレズビアンではないのだが、男に愛撫されるよりも、男女のラブシーンを観るよりも、彼女たちの豊潤なカラダを観るほうが、上質の快感が持続したのだ。

 女たちに誘(いざな)われて、オルガスムスの海へ足を入れる。そして、その後は、自分で自分を可愛がる。このような時にするオナニーは、オルガスムスが浅く長く持続して、最高に心地よかった。(↓解説編へ)

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(解説編⇒) 女が、女のカラダを、そして卑猥なシーンを観て濡れる。これは何も特別なことではない。たとえば江戸川柳に以下のようなものがある。

『濡れ事を見て股ぐらが大ぬかり』

 芝居の濡れ場を観て、女客の股間がビショビショになったというような意味だ。

『濡れ事』というからには、ラブシーンであっても、男の行為というより、やはり女役の卑猥な演技を観たと解釈してかまわないだろう。

 女が観て濡れてしまうシーンを、男が観たなら、かったるくて、じきに飽きてしまうかもしれない。

 川柳の女客が、芝居見物の後で、オナニーをしたものかどうか、そこまではわからないが、女はこのような時こそ、オナニーがしたくなるものだ。

 女は、オナニーに関して多才だ。バストを揉みほぐすだけでも、それなりのオルガスムスを味わえる。クリトリスへの愛撫なら、濃厚なオルガスムスを楽しめるし、ヴァギナ全体を擦り付ければ、何度でもいくことができる。そして、指や器具を挿入して楽しむこともできる。また、もっと間接的に、鏡に自分を映して、それで感じてもいい。

 女は、女が見ても濡れる、美しい動物である。そして、多才なオナニー法を持ち、またそのオナニーする姿までもが美しい、淫靡な動物なのだ。

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著者:岩崎 るりは

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