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第百五話・ジャパニーズSeX『腰巻の美学』物語編

(物語編) 屏風の向こうに、女のカラダが見えて、男は息を飲んだ。男は屏風の陰に潜んで、三畳間の布団部屋を覗き見していた。

 本来なら、布団部屋などにいるわけのない女だった。妾とはいえ、名主の囲われ者であり、それなりの生まれの女だと聞いていた。病気をして、あっちの方がお暇になったら、妾宅をおんだして、古家の布団部屋をあてがう。そんな悪い男にカラダを弄ばれた女、それを一度でいいから見ておきたいと思った。

 屏風の向こうの女の、折れそうな腕も、痩せたうなじも、女がそこまで白いのも、カラダを患っていることを教えているようだった。

 女は、うなじにからんだ黒髪を、つげ櫛で撫で上げた。

 たちまち痩せたうなじが、男の情欲をかきたてんばかりの艶かしい、うなじに変わった。(Photo/Furuse Model/Luliha)

 女は、そうして髪を梳(くしけず)ると、肩にかけた豆絞りの手ぬぐいを、すっと引いた。同時に、肩と二の腕が現われた。なだらかな曲線で出来た女の上半身、それが赤い腰巻と対比になる有様は、妖艶と形容するしかなかった。

 女は、手ぬぐいを膝元の手桶につけて、サラサラとすすいだ。象牙の細工物のような指で、それを絞った。そして、濡れ手ぬぐいで、胸元から乳房を丁寧に拭いた。

 女は、さも気持ち良さそうに「ふぅ」と息をした。

 手ぬぐいを、も一度、手桶ですすぐと、腰巻の裾をひょいと引っ張り上げ、腰の晒布のところに裾を挟み込んだ。

 太腿があらわになった。

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 痩せてはいても、羽二重餅のように柔らかげな太腿。女は、その太腿を開いた。白い肉の向こうに見える、女陰(ほと)は、腰巻の赤より赤く、ぼってりとしていた。

 女は手ぬぐいを小さくたたみ、女陰を拭(ぬぐ)った。

 女の肩が、小さく震えた。

 女陰を拭う手が、わずかに早くなった。

 女は顔を天井の方へやった。息をするともなく唇を開いた。

 手ぬぐいを持たない手で、乳房を鷲づかみにした。

 女は、そうしてしばらく手慰みをしていた。

 男は、自分の情欲を止めることができなかった。

 驚かさないように、いったん屏風から離れ、濡れ縁から上にあがった。

 女はできたもので、その男に驚くでもなく「見てたのね……」と吐息で言った。 

 男はゆっくリ頷(うなず)いた。

 女は、その男の腕を引いて「カラダを悪くする前に、あなたに覗かれたかったわ」と言った。

「いいえ、姉さん、病んでいるから綺麗なのさね。壊れそうなカラダだから、腰巻が誰よりも似合って、たまらなく色っぽく見えるのさ」

 女は、その男の目を見つめた。そして、男の胸にカラダを倒した。(後編の解説編を読む⇒クリック)

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