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第百五話・ジャパニーズSeX『腰巻の美学』(解説編)

 男が手を忍び込ませるところ、それが腰巻。そして、女が男を受け入れるところ、それも腰巻である。

(前編の物語編を読む⇒クリック

 腰巻の向こうにあるもの、それは女陰(ほと)であり、腰巻を纏(まと)う、すなわち現代で言うところのNOパンである。(Photo/Fruse Model/Luliha)

 NOパンであればこそ、裾をまくりあげて、はしょった様が、艶かしく見えるのだし、尻のシルエットが映る様も、淫靡に見えるわけだ。女陰が何物にも隔てられずに剥(む)き出しになっていることを「想像」すればこそ、艶(なまめ)かしく淫靡(いんび)に思えるわけだ。

 つまり、腰巻はそれを見る人の想像力をくすぐる衣類であって、その想像力こそが、ただの布切れを、ただの布切れでなくしているのだ。_1

 腰巻の想像性を、誰よりも巧みに表現した絵師、それは月岡芳年である。芳年は、幕末から明治の浮世絵師であるが、『うぶめ』などは、一度見たら脳裏から離れることがない、超刺激的な腰巻絵である。

 うぶめは、妊婦の妖怪であり、赤子を生み落として腰巻を血で赤く染めた妖女を描きながら、どんな綺麗な衣装を身につけた春画より、ずっと艶かしく刺激的なのだ。

 そもそも男は、想像力を刺激されて欲情するとき、最高にスケベになる。これは女にとっては不思議な現象である。思春期の男が、二股に分かれた大根を見ただけで勃起してしまう、という話を聞かされても、女は理解できずに、ただ「男ってイヤラシイ動物ね」と結論づける。オナニーにオナペットを必要としたり、チラリズムで強く欲情したり……と、勃起力と想像力は比例関係にあるのだろうか。

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 腰巻にかぎらず、伝統の衣類、着物は、襟元、胸元、袖口、裾……と、何も見えもしないのに、ハダカを見せた以上に、挑発的であることが多い。

 男の想像力を刺激するために設計された着物。それが着物であり、その最後の砦(とりで)が腰巻である。この「最後の砦」の防衛力は、現代人が思うのと正反対に、かなり堅固である。女が受身形では、なかなか女陰に男が達せない。女が、自分で好んで男を誘導する気持がないと、女陰を触れることも、男根を挿入することもできないのだ。

 腰巻は、女に性的な積極性を植え付ける衣類なのである。人間以外の動物は、メスがオスをリードすることで、恋が成就する。腰巻は、女を「動物のメス」に戻してくれる衣類ということなのだろう。

 SeXレスも、挿入でいけない(中でいけない)ことも、腰巻を身につけなくなった現代女が、SeXは男の技量にまかせるもの、女は可愛く受身がいいと教育されたことに一因があるのではないか……と、毎日毎時間が腰巻の私は思うのである。

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コメント

「岩崎るりは。猫も知らない女のカラダ」を拝見しました。記載の中に月岡芳年の浮世絵「うぶめ」の件がありましたが、見たいのです。方法をお知らせ下さい。
また、腰巻姿の絵でも結構です。こしまきについて
文章を書きたいのです。
よろしくお願い申し上げます。

投稿 横山 幸男 | 2008年4月30日 (水) 07時06分

上の本にあります。図書館などでご覧ください。

投稿 るりは | 2008年5月 2日 (金) 09時48分

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