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第五十七話・オスがメスを舐める行為「クンニリングス」はなぜ心地よいのか?

女は、独り寝する晩になると、いつも思い出した。それは、あの愛の感覚である。何にもたとえがたい、強烈な刺激。強烈だが、しっとりと柔らかで、夢見心地な刺激。股間を開くために、太腿にあてがわれる男の手。それだけもゾクリとくる。そして、男の顔がヴァギナを塞ぎ、次にあの刺激がやってくる。舌の感触。クリトリスという最も敏感で卑猥な部位を舐める、男の舌……。もう、それ以上の悦びはなかった。指でどれだけ丁寧に撫でられたとしても、あの感覚――クンニリングスには及ばなかった。だから、女は独りの晩には思い出した。今夜も女は……。

クンニリングス。女陰を意味するラテン語cunnusと舐めるを意味するlingereを合わせた言葉。これを綺麗に表現した言葉(隠語)として、「子猫ちゃんをする」とか、「愛のつぼみをかじる」とか。日本では、「花菱ぜめ」、「貝ふき」、「舌人形」など、多用な表現がみられる。

クンニリングス――いわゆる「クンニ」に多用な言葉がみられるのは、それだけ女が悦ぶ行為だからだろう。その反対の行為、男根を女が舐める行為は、フェラチオである。男は、なにかにつけてペニスを舐められたがる。しかし、その反対の行為、クンニを女のためにする男は、フェラチオを望む男より少ないのではないだろうか。あるアンケートによれば、クンニを毎回して欲しいと望む女は、約64%。たまにして欲しいを入れると、ほぼ90%になる。つまり、ほとんどの女性がクリトリスを舐められたがっているのだ。

フェラチオは動物には見ない、人間だけの特異な行為といえる。いっぽうクンニは、動物に普通に見られる行為なのである。猫の場合も例外ではなく、発情期を迎えたメス猫、その陰部を舐めたオスこそが、メスにありつけるのだ。つまり、猫のクンニは、「あなたが好きよ、いまからあなたとセックスをするわ」という、メスがオスを許諾する、ボディランゲージなのである。

指で愛撫する、乳房を揉むなどの行為は、人間特有の前戯であるのに対し、クンニは動物本来の「愛の儀式」、「本能的前戯」なのである。女という女、皆が望むほど、強烈に心地良くても当然なのである。

動物にはない行為、フェラチオを人間のオスが好み、しつこくメスに求める。なのに、動物本来の行為、クンニをオスが怠るのだとしたら、それは人間のオスのエゴといえやしないだろうか。クンニは、女にとって、挿入以上に心地よい刺激となりえるのだ。とくに、後戯としてのクンニは、天にも昇るような心地良さなのである。あまりに心地良く、筆で表すのは不可能であるので、フェラチオを執拗に欲しがる人間のオスに「どのような感じか?」と聞けば、確かな答えが返ってくるだろう。(photo/Furuse model/Luliha) 写真はクリックすると拡大します。  

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